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平成8年度 No.5 1997年1月1日 (財)資産評価システム研究センター (通巻96号)

 

固定資産税に対する納税者の理解と協力を得るために

自治省税務局長 湊和夫

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平成9年の新春にあたり、「資産評価情報」の読者及び財団法人資産評価システム研究究センターの会員の皆様に心から新年のお慶びを申し上げます。
さて、固定資産税は、市町村税収の慨ね4割を占める基幹税目であり、そのあり方がこれからの市町村財政に与える影響は誠に大きいものとなります。また、今後の高齢化の進展に伴う財政需要に対処していくことや地方分権を着実に推進する必要があること等から、その役割はますます増大していくものと考えられます。
そこで、自治省では固定資産税に対する納税者の理解と協力を得ていくため、平成9年度に向けて実施していただきたいことを市町村にお願いをしています。
一つは、路線価等の公開です。路線価等の公開は、平成3年度の評価替え以降、計画的拡大が図られていますが、平成9年度の評価替えにおいては、可能な限り、市街地宅地評価法適用地域については、全ての路線価を、また、その他の宅地評価法適用地域についても全ての標準宅地の単位地積当たりの価格を公開するようお願いしています。これによって、納税者の方々の評価についての信頼性が高まるものと考えています。
二つ目に課税資産内訳書の送付です。課税資産内訳書の送付は納税者自身に課税内容を十分理解していただくとともに、納税者が課税の適否をチェックすることとなるため、課税誤りをなくしていく上でも効果が期待できるものと考えています。昨年の調査結果を見ますと課税資産内訳書の送付を行っている市町村は686市町村となっており、全市町村数に占める割合は21%という状況です。
これらは、固定資産税に対する理解と協力、さらには制度に対する信頼を得るために是非とも必要であると考えていますので、大変な作業量であることは十分承知していますが、重ねてご理解とご協力をお願いする次第であります。
また、先般決定されました平成9年度税制改正案におきまして、固定資産税の平成9年度以降の税負担については、宅地の固定資産税について抜本的な見直しに着手し、ばらつきの大きい負担水準の均衡化をより重視することを基本的な考え方として、負担水準の高い土地の税額の引き下げを含む適切な負担調整措置等を講じることとしています。
「資産評価情報」の読者及び会員並びに財団法人資産評価システム研究センターのますますの御発展を祈念いたしまして、念頭の御挨拶といたします。

 

固定資産税に対する納税者の理解と協力を得るために 湊和夫(1)
創設時の固定資産税 吉瀬宏(2)
平成8年都道府県地価調査に基づく最近の地価動向(その2) 河野俊嗣(6)
地方税における資産課税のあり方に関する調査研究報告書の概要
資産課税のあり方に関する調査研究委員会幹事(10)
平成9年度評価替えに向けて 岡田淳(12)
自治大臣が別に指示する事項について 稗田稔(14)
平成8年度研修事業の開催概要 (財)資産評価システム研究センター (16)
平成9年度評価替えにおける宅地に係る都道府県別評価変動割合(推計) 自治省税務局資産評価室(19)
業務だより (20)

 

 

 

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